海の女性ネットワークの図書室: 宇宙のランデヴー 〔改訳決定版〕

2017年10月に観測史上初といわれる太陽系外から飛来した天体が発見され大変話題になりました。ハワイ語で斥候や使者を意味する〈 オウムアムア〉と名付けられたこの天体は、棒状の細長い形をしていたと考えられています。『宇宙のランデヴー』はこのような天体の飛来を50年ほど前に予想して書かれたサイエンスフィクションです。

2131年の未来、小惑星を監視するスペースガード計画が太陽系外からやって来た巨大な物体を発見します。詳しい調査で円筒形の人工物であることがわかり急遽最寄りにいた宇宙船が探査にむかうことになります。20万年以上宇宙を旅してきた物体の内部で調査隊が見るものとは―

海の女性ネットワーク的な読みどころは、物体内部の中央にある海を渡るシーンです。円筒海と呼ばれる海を渡るために、ありあわせのもので作ったいかだの船長はルビー・バーンズ軍曹です。宇宙船のクルーで唯一本当の船の船長免除を持っているは彼女だけでした。宇宙船の艦長その他を従え指揮した航海では津波が押し寄せるアクシデントもありましたが彼女の機転がいかだと乗組員を救います。

人類よりもはるかに進んだ科学を持つ文明とのファーストコンタクトについてSFの巨人クラークが描いた世界は読み終わった後も長い余韻をひくものでした。

アーサー・C. クラーク (著)
南山 宏 (訳)
¥968
出版社:早川書房
発売日:2014/2/7
ISBN:978-4-15-011943-0

秋の夜長におすすめの本です。