活動報告「第1回職場見学会」

2023年11月15日の午後、水産資源研究所の杉崎宏哉さんにご案内いただき、神奈川県横浜市金沢区にある(国研)中央水産研究・教育機構横浜庁舎(水産資源研究所)を計4名で見学してまいりました。海洋放射能や貝毒などの調査研究に大切な役割を果たしてこられた施設であることが、杉崎さん(理事長補佐役)のお話でよく分かりました。

同研究所の漁業調査船「蒼鷹丸(892トン)」は2日後から調査航海に出るためお取り込み中でしたが、ご厚意により、船内を歩かせていただけました。海洋測定に用いるCTD(海水中の水温、電気伝導度、水圧の測定機器)や、漁網やプランクトンネットを海中で広げるオッターという巨大な漁具(この日は船外で待機)など、さまざまな道具を見せていただきました。航海に伴うごみの処理についても伺いました。甲板に見えた焼却炉は昔の名残で、船上焼却はとっくに法律で禁止されているそうです。船齢25年とは思えないほど、船外も船内も、とてもきれいに整備されていました。

左からCTD、救命具、オッター(撮影:窪川かおる)

 
その後、夕方から同研究所内で開催された「第30回低・未利用資源有効利用研究連絡会(旧カタクチイワシ勉強会)」セミナーにお邪魔しました。事務局の石田典子さんの司会も素晴らしく、有意義かつ楽しい会でした。今回は、窪川かおる海の女性ネットワーク代表が一人目の話題提供者として登壇し、「海の女性ネットワークの活動とSDGsへの貢献」について講演しました。ほかには、水産大学校の「馬関せんべい」、山形県水産研究所のインスタグラム活用、大分県のかぼす養殖魚、合同会社シーベジタブルの発酵海藻、東北大学のカタクチイワシ研究(しらすの消費量調査)、御木本製薬の化粧品「MOONPEARL」などの講演がありました。いずれも海のもたらす豊かさを実感できる内容でした。会場には、メンバーの中田薫さん(水産研究・教育機構理事)も顔を見せてくださいました。

文責:瀬戸内千代(海洋ジャーナリスト)