既に夢洲会場に行かれた皆さま、大屋根リングに素晴らしいデザインのパビリオン、充実の展示、美味しいレストランメニューなどなど、お楽しみになられましたでしょうか。
気が付けば閉幕目前、季節は急に秋めいております。幸運にも最終週の入場チケットをお持ちの皆様、ぜひ楽しみに行かれてくださいね。
そういう当方は、レポその1でお伝えしました4月下旬に引き続き、8月下旬にブルーオーシャンドームの入場自由エリアのドームCでイベント裏方しておりました。今回は準備含めて8日間、お世話になりました。まだ万博始まって3週目という比較的人出の少なかった春に比べて、夏はとにかくお客様の数が多かったです。夏休みも終盤だったこともあり、親子連れの割合が高かったように感じました。隣接のドームBの出口通路も兼ねたドームCには、10分~15分おきに100名近いお客様がひと塊で入られるのですが、次のパビリオンに向かって即外に出るよりは、35度を超す酷暑の中を移動する前に、ステージ前の客席エリアの椅子で一休みする姿が印象的でした。ドームの建築構造を熱心にご覧になる方は一定数いらっしゃる一方で、海洋プラスチック汚染をはじめとする海洋環境問題に関心ある方々が、途切れることなく来られていたことが(主催者でもないのに)嬉しかったです。
そのドームCで、8月25~31日にかけて、『UNESCO-IOC×海洋教育:OCEAN LITERACY』と題して弊所イベントを行いました。国連海洋科学の10年の目指す7つの海、「きれいな海」「生産的な海」「健全かつ回復力のある海」「予測できる海」「安全な海」「開かれた海」「夢のある魅力的な海」を7日かけて取り上げるというものです。
提案はしたものの、弊所だけですべてを網羅できるほどのコンテンツを持ち合わせておらず、ましてや「夏休み最終週なので、子供たちが楽しめるものを」という主催側の要望に応えられるようなテーマを普段研究しているわけではありません。そこで、これまでご縁のありました海遊館・NPO法人黒潮実感センター・J-DESC・JAMSTEC・東京大学大気海洋研究所の皆様の大変なご尽力により、貴重な生き物や岩石・軽石サンプル、海底観測機材、展示物、制作キット等を会場にお持込みいただき、毎日幅広い内容で大人も子供も楽しみながら学べる、充実した海のイベントを執り行うことができました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。当日の様子は、Blue Ocean Domeの公式サイト(https://zeri.jp/expo2025/blue-ocean-studio/)にてアーカイブ映像でご覧いただけます。
一方、アーカイブ映像には少ししか残っていないのですが、ステージ幕間にUNESCO-IOCのOcean Literacyの動画を各日の冒頭や幕間に流させていただきました。UNESCO-IOCのご厚意と、お繋ぎ頂いた関係者の皆様のお陰で、まさに「魅力的な海」を特大スクリーンでアピールすることができました。海洋リテラシーの7つの重要原理をベースに、海洋課題への意識向上のメッセージを込めた動画で、ぜひとも日本の皆様にも見て頂きたく、日本語訳を付しました。
(UNESCO-IOCのOcean Literacy動画 Principal #1 日本語字幕付の一場面)
右は弊所嵩倉美帆研究員
当方は4月同様、その映像編集担当ということで、無事止まらずにスクリーンで流れるかを、イベント参加受付をしながら見張るのが仕事でした。さすがに8日間もおりましたので、隣のドームAとB、そして少ないながら他のパビリオンを見て回ることができました。ポルトガルとスペインは、海がメインの展示でしたが、同じ海を題材にしながらも見せ方・捉え方・伝え方が非常に勉強になりました。
このたび、大阪・関西万博という非常に大きな国際イベントの場で、国連海洋科学の10年と海洋リテラシーの周知の機会を得られましたことは、本当にまたとない経験となりました。Blue Ocean Dome主催のZE RI JAPAN様に厚く御礼申し上げます。
Blue Ocean Dome の Dome C出口側夜景
小熊 幸子