メンバーのサイエンスライター大西光代さんが編集担当した記事が、日経サイエンス6月号（4月25日発売）に掲載されます。

◎掲載誌：日経サイエンス6月号（4月25日発売）

◎記事タイトル：『ガスライティング　ジェンダーと心理的虐待の関係』
＊ジェンダーや人種など社会的な差別や偏見がある種の心理的虐待と深くかかわっているという研究結果を紹介する記事です。

＊同号には氷衛星の海に生命を探る計画も紹介されています。

海の女性としてご興味ある方も多いと思います。ぜひ、併せてご覧ください。

◎記事の内容に関連して（執筆者より）

研究対象となった心理的虐待は「ガスライティング」と呼ばれるもので、イングリッド・バーグマン主演の映画『ガス燈』に由来しています。虐待によって被害者は自分の頭がおかしくなってしまったのではないかと思ってしまうということが中核にある虐待です。日本ではまだなじみがない「ガスライティング」ですが、辞書でおなじみのメリアム＝ウェブスター社が2022年の今年の言葉に選んでいます。
社会学者による122人の被害者の聞き取り調査の分析でこの虐待は当事者間の問題だけではなくて社会の不平等がその根底にはあるという研究結果が出たそうです。
「理性的でない」や「被害妄想だ」という言葉で相手の経験を否定し、世間もそれを信じてしまい虐待が長期化する――被害者の体験談は心が痛んで、読んでいて苦しかったです。
私たちの暮らす社会の中にそういう構造があることを知ることは、海の女性ネットワークの活動のための知識という名のツールになると思いました。