日本の南岸を流れる暖流の黒潮。名まえは水が透明で青黒く見えることからつけられたといいます。
「さかなの日」コラム:「つ」の魚
正体の分からないもの、に出会うことってありますよね。深みに潜む、あるいは視界を一瞬だけ横切った奇妙な形の何か。
“幻想動物の写真” を集めた「秘密の動物誌(筑摩書房)」というユニークな本がありますが、捕獲も撮影も観察もできず、ずっと正体が気になり続けている「幻想動物」が、私にもいます。
朝霞市の公園の、雑木林の奥の池でジャンプした黒い丸太のような物体。
夜の三浦半島で見た、遥か上空で飛び回るホタルではない無数の光の粒。
喜界ヶ島の崖の上から見た、湾奥から湾口へとまっすぐに泳いでゆく巨大な黒い影。
神津島の磯にいた、不思議な泳ぎ方をする小魚。私たちは”「つ」の魚”と呼んでいます。
幸いどれも同行者がいたので、あれは何だったんだろうね、錯覚じゃないよね、と、たまに確認し合います。
この中で、唯一写真を撮れたのが “「つ」の魚”です。
彼らは群れで泳いでいますが、急に体を折り曲げて(「つ」の字になって)しばし静止します。
海面に突如として現れる「つ」は、光を反射して、波打ち際でたいそう目立ちます。
まるでシラス干しを撒いたみたいです。
って、言葉での説明では伝わりにくいですよね。
この幻想動物、魚博士に動画を見ていただいて正体が分かりました。ボラ科の稚魚であると。
「つ」の字(魚業界では「く」の字と呼ばれていましたが)は、彼らに特徴的な行動とのことですが…
これは適応的なのでしょうか。省エネ? まさか擬態? とても目立っていたけど?
気になります。
ご存知の方がいたら、ぜひ教えて下さい。
皆さんの「幻想動物」のお話も、ぜひ伺いたい。「海の女性ネットワーク」には様々な専門家がいますので、もしかしたら正体が分かるかもしれませんよ。
石川牧子
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